手続:自己破産
性別:男性
年代:60代
借金額:560万円
1 依頼者の状況
依頼者は、信用金庫や貸金業者など4社から、合計560万円の借金がありました。
依頼者は、子の教育資金や、子の車のローンを肩代わりしたことが原因で不足することとなった生活費を補うために借金をしていました。
当初ご相談いただいたとき、光熱費を支払うことができず、電気や水道が使用できない状況だったので、まずはライフラインを使用できるように対応するようアドバイスした上で、ご依頼をお受けしました。
2 当事務所の対応と結果
当事務所の弁護士は、依頼者の収入や仕事の状況、借金の総額から、自己破産が依頼者にとって最も適切な手段であると判断しました。
この点、破産手続は財産全てを清算する手続です。
そのため、依頼者が所有名義となっている自宅不動産については、破産財団から放棄され、手元に残すことができる可能性もありますが、処分されることによって手放さなければならない可能性もあります。
当事務所の弁護士は、依頼者に対し、このようなリスクについても、十分に説明をしました。
依頼者も、自宅不動産を手放す可能性があるものの、自己破産によって借金の免除を受けることを希望されました。
そのため、自己破産手続を当事務所にご依頼いただくこととなりました。
当事務所の弁護士は、依頼者が所有名義となっている自宅建物が築45年程度経過していることを踏まえ、不動産が実質的には価値がないことを理解してもらえるよう、依頼者の自宅不動産の様子を写真撮影して報告書を作成するとともに、不動産業者からの査定書や解体費用の見積書を取得した上で、自己破産手続を申立てました。
破産手続では、裁判所が破産管財人を選任し、破産管財人による調査・検討が行われましたが、結果的には、自宅建物に関しては、換価・処分が行われず、破産財団から放棄されたため、依頼者の手元に残すことができました。
また、破産管財人からは「免責不許可事由は見当たらない」との意見が出され、最終的に、裁判所から免責の許可を受けることができました。
3 所感(解決のポイント)
自己破産手続は、財産を清算する手続であるため、不動産を所有している場合、当該不動産については、基本的には換価・処分がなされることとなります。
そのため、不動産を所有している方が自己破産手続を申立てる場合には、当該不動産を手放すことも覚悟する必要があります。
もっとも、建物の築年数や立地などの事情を考慮した上で、破産管財人が処分するのが難しいと判断した場合には、破産財団から放棄され、結果的に不動産を手元に残すことができるケースもあります。
不動産を所有されている方において、債務整理手続をご検討の方は、一度当事務所の弁護士にご相談いただければと存じます。