
破産手続開始決定が出された後は、法律上、新たに給料の差押えを行うことはできません。
しかし、弁護士に相談をする前や自己破産の申立ての準備中など、破産手続開始決定が出る前に、債権者から判決や支払督促に基づいて給料の差押えを受ける場合があります。
この場合に、自己破産をすれば給料の差押えを解いてもらえるのか?という点について、以下でご説明させていただきます。
給料の差押えと自己破産の申立て
弁護士に自己破産を依頼し、弁護士から債権者へ受任通知(弁護士が介入して自己破産の手続を進める旨の通知書)が送付されても、自動的に給料の差押えがストップされるわけではありません。
弁護士が債権者に対して給料の差押えを取り下げるように要請することもできますが、経験上、取下げに応じてもらえることはほとんどありません。
そのため、給料の差押えを受けている場合には、特に自己破産の申立てを急ぐ必要があります。
自己破産の申立てをして破産手続開始決定が出たときの、給料の差押えの取り扱いは、以下のように、同時廃止事件の場合と管財事件の場合とで異なってきます。
同時廃止事件の場合
自己破産の申立てをした裁判所(破産裁判所)から同時廃止の決定が出されれば、給料の差押えは中止します。
具体的には、給料の差押えを行っている裁判所(執行裁判所)に対し、同時廃止の決定があったことを知らせることにより、給料の差押えが止まります。
この中止の状態は、免責許可決定が確定し、差押えが失効するまで継続します。
この間、破産者は、差押え分の給料を受け取ることができるわけではありません。
この間は、勤務先が差押え分の給料をプール(一時保管)することとなり、免責許可決定が確定したときに、勤務先から破産者へまとめて支払われることとなるのです。
そして、免責許可決定が確定した後の給料は、もちろん、全額受け取ることができます。
管財事件の場合
管財事件の場合には、自己破産の申立てをした裁判所(破産裁判所)から破産手続開始決定が出されることにより、給料の差押えが失効します。
失効というのは、完全に効力が失われるということです。
具体的には、破産管財人が給料の差押えを行っている裁判所(執行裁判所)に対し、差押えの取消しの上申書を提出することにより、給料の差押えが解かれることとなります。
これにより、破産者は、すぐに給料の全額を受け取ることができるようになります。
税金・社会保険料の滞納処分の取り扱い
税金・社会保険料を長期間滞納し、分割納付などの対応をとらずにいると、滞納処分によって給料が差し押さえられることがあります。
税金・社会保険料の滞納処分により給料を差し押さえられた場合の取り扱いは、上記のように債権者から判決や支払督促に基づいて給料を差し押さえられた場合とは異なります。
法律上、破産手続開始決定の後に、新たに税金・社会保険料の滞納処分を行うことはできないのですが、破産手続開始決定の時点ですでにされている滞納処分は、効力を失わずに続行されます。
そのため、税金・社会保険料の滞納がある場合には、早めに税務署や市町村役場などに相談し、分割納付などの対応をとっておくことが大切です。
弁護士にご相談ください
給料の差押えを受けた場合の自己破産は、特に緊急性の高い事案であると言えます。
一刻も早く借金・債務整理を得意とする弁護士にご相談いただくことが大切です。









